ガーデン面積:Front 約16㎡+Rear 約80㎡=Total 96㎡
施工分野:新築に伴うガーデンデザイン、植栽、定期メンテナンス
イギリス建築がお好きなオーナーH様は、ご自宅の外壁にイギリス・コッツウォルド地方で産出される優しいハチミツ色のコッツウォルド・ストーンを選ばれました。南側に面したお庭にはH様のご要望のレモンや常緑ヤマボウシが植わり、奥様がお好きなミモザ、黄色のモッコウバラはアーチに這わせ、庭への出入りが楽しくなるようにいたしました。元々お庭にあったテーブルチェアーが配置できるようにテラス席を作り、周囲の目線を気にせず、庭時間を過ごして頂けるようにH様のご要望を実現いたしました。特にプライベートに配慮した空間を植物で創り出し、景観的に隠したい場所を植物での視覚効果を狙っています。
都内や都心近郊の一戸建ては庭を作るスペースがないと良く言われますが、建築とグリーンスペースの分量に配慮すればグリーンを十分に楽しむことができます。グリーンスペースいわゆる庭のスペースは、ここ最近の分譲住宅では特にないがしろにされがちで、コンクリート一面のような住宅を多く見かけます。条例で規制のないエリアは特にその傾向が強いようです。ただし広い庭スペースが取れなくても、玄関前、敷地境界、バックヤード(裏庭)など、グリーンを取り入れられるスペースは想像以上にあるものです。
近隣と密接している都心のガーデンでは、植物で隣の家や道から感じる人の目線をそらす効果を考えます。場所によって使う植物の高さや広がり具合、色合い、常緑、落葉などを考えます。樹木だけでなく灌木(シュラブ)を使いこなすこともガーデンデザイナーの力量に掛かってきます。プライベート空間をつくり出すには植物の生長やデザイナーの意図を理解してもらうのに年月、時間も掛かります。
以下の庭も2015年にデザインスタート→植栽→定期的なメンテナンスを繰り返し、約4年が経過した状態です。ようやくH様の望んでおられた、落ち着いたプライベート空間へと植物たちが成長してくれてきたと思います。
日当たりの良い南向きの場所でも近隣住宅の陰になっていたり、以前からある大きくなった金木犀の生垣沿いだったり、日陰の場所が存在します。そこにどんな植物を配置するのか、デザイナーとして熟知している植物と空間計算が必要です。日の当たる場所であってもどんな土壌なのか、水の保湿力はどうかなど気を配る点は多くあります。日陰の場所は植物の選択が限られると思われがちですが、花が咲く植物だけに気を囚われるのではなく、植物の持つ色合いやフォルムにも注目して育ててみることによって明るく演出できます。
こちらは北側のお庭ですが、コッツウォルド・ストーンの外壁と鮮やかなグリーンの計算された調和により、暗さを感じさせません。
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